QUAD ESL-57 研究 その壱
記録を見ましたら、この 57 は、2018年の9月に、ヤフオクで、1000円で入手、とありました。 都内に引き取りに行ったのは覚えているのですが、数年前だった程度の記憶しかありませんでした。 いずれレストアしようと思い、納戸の奥に放り込んだままでした。 今般、思わぬ事情で時間がとれ、レストアのための「研究」(?)に取り組むことにしました

まずは納戸から片chだけ引っ張り出しました。 背面のプレートも含め、どこにも 57 というようなモデル名表示はなく、プレートには、QUAD 静電型スピーカー であることと、内部は高圧だよ、素人は裏蓋を外すなよ、というようなことが書かれているだけです。 シリアルNoは10855です。

分解に入る前に音出しをしてみました。 ジャンクとして入手していますし、数年放置していますので、何が起きるか判りません。 恐るおそるの作業です。 専用のACプラグは無いので、ワニ口クリップで端子を咥えて通電してみました。 PLが点灯し、何事もなく無音です。 そのまましばらく置いて、バナナプラグ専用の端子から信号を入れてみました。 何と、音楽が流れてきました。 しかも柔らかいいい音です。 しかし、流石に能率はかなり低そうです。 正常な 57 を鳴らしたことがないので何とも言えませんが、63 のそれと比べると、大体二割程度の音量しか出ていないようです。 この原因は、高圧の低下と導電剤の劣化とであると断定していいと思います。 しかし、ここで驚いたのは、フイルムの大きな剥離や破れは起きていないらしい、ということです。 これは 63 系と大きく違う点です。

さて、分解です。 まずは裏蓋を外します。 上辺 ・ 左右はいい加減なビス止めですので簡単に外れますが、下辺は、写真のとおり、底に回り込んでいて、キャスターの付いた追加の底板との間に端が挟まれています。 



書き忘れましたが、入手したものは、三本の脚のものではなく、キャスターの付いたものです。 脚を外した形跡がありますので、キャスターの付いている板は後付けされたものと思いますが、なかなかの仕上がりです。
このキャスターの付いた左右二枚の板を外したら、問題なく裏蓋は外せました。

裏蓋の内側には、麻布とフェルトのような吸音材が貼られています。 写真は、左上部分のアップです。



ここで、ふと思ったのです。 ・・・・何だかSTAXに似ているな・・・・と。

     つづく。
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